1. 【尿酸(UA)】とは
尿酸(UA)とは核酸の主成分であるプリン体の最終代謝産物であり、生体内に高濃度で残存し続けると結晶化し、激しい痛みを起こさせる物質です。
この代表的な疾患はみなさんもご存知の「痛風」です。
関節に結晶化した尿酸が溜まりやすいので、よく「膝が痛い」と耳にしますよね。
次に尿酸の代謝経路について、尿酸の生成には主に2つの経路があり、メインとしては生体内の新陳代謝からおよそ80%、残りの20%は食事からの摂取で生成されます。
まずこの2つの経路から共通して言えることは、「尿酸はプリン体の代謝産物である」ということです。
ビールのCMでよく「プリン体ゼロ!」と言われるアレです。
プリン体とは核酸を構成する塩基成分の中でプリン骨格を持ったものを言います。
核酸とはDNAとRNAを指し、それらを構成する塩基成分にはアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルの5つがあり、その中でプリン骨格を持つプリン体はアデニンとグアニンです。
このアデニンとグアニンの代謝の果てに尿酸が生成されるのです。
尿酸の生成経路の話に戻り生体内の新陳代謝について、古くなった細胞が破壊されると核酸も破壊されますので、プリン体は分解されて尿酸となります。
また生体にとってのエネルギーであるATP(アデノシン三リン酸)も分解されると尿酸となります。
これらの要因で生体中の尿酸の80%ほどは構成されています。
残りの20%について食事からの摂取ですが、プリン体は細胞内に含まれており、細胞数の多いところや細胞分裂が盛んな組織にプリン体が多くなります。
よって肉や魚介類にはプリン体が多く、これらの食品の摂り過ぎは尿酸値の上昇に繋がります。
新陳代謝や食事からの摂取で獲得されたプリン体は肝臓で分解されて1日700g産生されます。
そのうち500gは腎臓から尿中に排泄され、残りの200gは腸管から便として排泄されて平衡を保っています。
尿酸はこのような代謝経路をとります。
何かしらの理由で生成されるプリン体の量が過剰であったり、プリン体を過剰に食事から摂取したり、腎機能障害のために尿中に排泄されないなどが起きると、通常は生成された同等の量を排泄してプラスマイナスゼロにしているペースが崩れ、血中に増加した尿酸は結晶化して炎症を起こし激痛を走らせます。