臨床検査技師とは?仕事内容、なり方を解説します

みなさんこんにちは!

「Webサイトエンジニア」×「臨床検査技師」のハイブリットおじさんこと、ウエノです。

Webサイトエンジニアではありますが、現役で臨床検査技師を15年しています。

さて、みなさん。

このブログを読んでいるということは、僕も生業としている「臨床検査技師」に興味があるということですね?

臨床検査技師は正直目立たない存在ではありますが、医療では欠かせない重要な役割を果たす職業です。

病院では何かと検査、検査…となりますが、その大半の検査をしているのが臨床検査技師です。

臨床検査技師の認知度はまだまだ低いですが新型コロナウイルスのPCR検査で脚光浴びた関係で、認知度も少しずつ上がってきました。

そんな臨床検査技師ですが、その実態を紐解きみなさんに「これでもか!」というほどの圧倒的な情報量でご紹介していくのがこのブログです。

ぜひ最後までお読みいただき、「え?臨床検査技師なの?」と誤解されるくらいにドヤれる知識を持って帰ってください。

では、どうぞ!

【臨床検査技師】とは

臨床検査技師とは、厚生労働大臣の免許を受けて医師又は歯科医師の指示の下に、人体から排出されたもの、または採取された検体の検査、及び身体の機能を検査する生理学的検査を行う者をいいます。

厚生労働大臣の免許を受けるには専門学校を3年、または大学で対象となる学科にて4年間の講習を受け、厚生労働省が管轄する「国家試験」に合格する必要があります。

病院での立ち位置は「医療技術者」であり、看護師や放射線技師、臨床工学士と並ぶ「コメディカル(医師の下に医療を支える医療従事者)」となります。

みなさんがよく見かけるのは、病院や検診センターの採血室、病院の心電図室やエコー室ではないでしょうか。

表に出るのはこのあたりで、たいていは検査室で血液や尿を用いた検体検査を行っています。

検体検査室はたいてい「STAFF ONLY」の関係者以外立ち入り禁止の区域にありますので、まずみなさんの目に触れることはない場所にあります。

施設によっては採血室と連結しているところもありますので、扉の向こうに少し見えることもあります。

【臨床検査技師】の仕事内容

臨床検査技師の仕事内容は大きく分けて、「検体検査」「生理検査」「採血業務」の3つに分類できます。

ざっくり検体検査や生理検査といわれても良くわからないと思いますので、次にそれぞれについて詳しく解説していきます。

検体検査には「生化学検査」「免疫検査」「血液検査」「一般検査」「輸血検査」「細菌検査」「病理検査」があり、それぞれが独立した部署として設置されています。

病院の規模によって設置部署の数が違い、細菌検査室と病理検査室は総合病院や大学病院のような大きな施設でないと設置されていないことが多いです。

輸血検査室も中規模くらいの病院からでないと設置されていないことが多いですね。

次にそれぞれの検査室ではどのような検査をしているのか見ていきます。

  • 生化学検査

    生化学検査はまさに検体検査のメインとなる検査ですね。血液検体の血清部分を用いた生化学検査を行っており、総蛋白やアルブミン、グルコース、γ-GTP、HDLコレステロールなどを検査しています。
    検体が検査室に到着したら受付業務、遠心処理、機器による検査を行いだいたい1時間程度で臨床側に検査結果が返ります。
    採血された患者さんのほとんどが生化学検査を実施しますので、外来で「検査結果待ちです」と言われたらほぼこの生化学検査の結果を待っている状態です。

  • 免疫検査

    免疫検査は生化学検査と同じく血液検体の血清部分を用いた検査であり、CEAやCA19-9などの腫瘍マーカー検査、HBs抗原やHCV抗体などの感染症検査、TSHやFT3などの甲状腺機能検査などが該当します。
    この免疫検査は生化学検査より時間のかかる検査で、機器による検査での反応時間が生化学検査の2倍はかかりますので1時間から1時間半要します。

  • 血液検査

    血液検査は血液検体の血球部分を用いた検査であり、赤血球数や白血球数、ヘモグロビン、血小板数などを検査します。検査結果が5分以内に出る素早い検査です。
    他にも好中球や好酸球などの白血球の分類を顕微鏡下でカウントする「血液像検査」というものも行います。

  • 一般検査

    一般検査はどこが「一般」なのかはよくわからない名前の由来が意味不明なものですが、主に尿検体を用いた検査を行います。
    尿中にどのくらい蛋白や糖が出ているか、潜血はないかなどざっくり調べる「尿定性検査」を行ったり、顕微鏡下で赤血球や白血球、扁平上皮細胞や尿細管上皮細胞などの細胞がどのくらいあるのか調べる「尿沈渣検査」を行います。

  • 輸血検査

    輸血検査は血液検体の血球部分と血漿部分を用いて血液型の検査、不規則性抗体検査、輸血製剤と患者血液が反応しないか検査するクロスマッチ検査などを行います。
    輸血製剤の管理が必要であり、日本赤十字社との契約も必要となりますので、二次救急(入院や手術を要する症例に対する医療)指定病院や手術室を持つ中規模病院以上でない限りは輸血検査室はないのが普通だったりします。
    輸血検査に何らかの間違いがあり発見が少しでも遅れると死に至りますので、患者の命に直結する非常に緊張感の高い検査です。

  • 細菌検査

    細菌検査は尿、喀痰、便などの検体を用いて菌の培養を行い、病原菌の同定検査(何の菌か確定すること)を行う部署です。培養には日数が必要ですので、他の部署とは違い結果報告に数日かかる検査となります。
    採算の関係で大きな施設にしか設置されていないことが多く、それ以外は外注検査で実施しています。

  • 病理検査

    病理検査は尿、喀痰、膿、などの検体から鏡検用のスライドを作り、「細胞診」と呼ばれる細胞の異形があるかどうかを顕微鏡下で調べる検査をします。
    細胞診で異形が見つかったり疑いがあると、どこの臓器が癌化しているのか検査する「組織診」というものを行います。
    組織診とは各種臓器から鏡検用のスライドを作り、細胞の異形だけでなく臓器の組織構造から異形がないかも調べられる検査であり、異形が見つかればこれが確定診断になることもある精密検査となります。

生理検査とは身体の機能検査を行うことです。

生理検査の種類は多岐に渡り、心電図、肺機能検査、心エコー、腹部エコー、乳腺エコー、頸動脈エコー、筋電図、脳波、SEP、MEP…ざっくり挙げてもこれだけあります。

心電図ではその波形から心機能状態を把握するのに有用であり、肺機能検査では肺活量だけでなく喘息、拘束性・閉塞性機能障害の度合いもわかります。

各種エコー検査では腫瘍がないかのスクリーニング検査、血流、石灰化、狭窄など、そのエコーの種類によって様々な情報を得ることができます。

どれを取っても大切な検査であり、患者の容態や疾患によって様々な検査を組み合わせてより正確な状態把握を行います。

採血業務とはその名の通り採血を行うことであり、「静脈」から血液を採取します。

臨床検査技師は「静脈」からの採血のみ許可されており、動脈血液ガス検査以外のほぼすべての検査が「静脈血」を前提に検査値が設定されています。

なぜ静脈血を使用するのかといいますと、静脈血には全身をまわるうちに各組織から受け取った老廃物や逸脱した物質を含んでいますので、これを検査することによって全身状態を把握できるとされているからです。

ちなみに採血をしていると「血が黒いが大丈夫なのか」と質問されることがありますが、赤い血は「動脈血」であり、赤血球のヘモグロビンが酸素と結合していると赤く見える(ヘモグロビンのヘムの原料は鉄であり、酸素と結合しているイコール酸化鉄となりますので鉄サビの色、つまり赤色に見える)のですが、静脈血ではヘモグロビンの酸素を各組織に受け渡し終わった後ですので、もとの鉄の色である「黒色」に戻るため黒く見えます。

ですので採血した時の血液が黒く見えるのは「正常」です。

採血業務は臨床検査技師だけの専門業務ではないので、同じく許可を受けている看護師が実施している施設もあります。

ただ、検査に影響を及ぼす「溶血」であったり、検査に使用する多様な採血スピッツへの知識も必要ですので、業務の最適化を考えるなら臨床検査技師が採血を行う方が合理的といえるでしょう。

【臨床検査技師】になるには

臨床検査技師になるには厚生労働省が管轄する国家試験を受験し、合格して臨床検査技師の免許を取得する必要があります。

免許と言っても、車の免許証のようなお財布に入る小さな物ではなく、卒業証書のような賞状形式の物ですので持ち歩いてはいませんよ。

国家試験を受験するには、3年制の臨床検査技師の専門学校または短大、もしくは臨床検査技師養成課程のある4年制の大学で決められた課程を修了して受験資格を得なければなりません

ですので独学で国家試験の勉強をして、個人で試験に申し込んで受験するという方法は取れませんのでご注意ください。

臨床検査技師になるなら、まずは臨床検査技師の学校に入りましょう

【臨床検査技師】になるには専門学校(または短大)と大学のどちらが良いのか

実際に臨床検査技師になろうと思うと、3年制の専門学校(または短大)と4年制の大学のどちらが良いのか、というところで大半の方は迷います。

どちらが良いのかはみなさんの価値基準によって決まります。

以下に重要な順に判断材料を列記しますので、どちらか悩んだ際に参考にしてみてください。

  • 早く就職したほうが地位的に有利

    これが本当に重要。1年早く就職するだけで年齢は同じであっても先輩になりますので、職場の地位が圧倒的に有利になります。
    また、日本の企業は基本的に年功序列文化であり病院も例外ではありませんので、仕事ができるできないに関わらず勤続年数が長いほど役職に就きやすくなります。
    給与に含まれる技術的な手当ても1年分高くなりますので、そのような待遇がある施設では給与でも差が付きますのでお得です。

  • 基本給

    これはどこの企業でもいえることですが、大学卒のほうが基本給が少し高くなります。
    賞与(ボーナス)は基本給に企業ごとに定めた倍率をかけた金額となりますので、最初から基本給が少し高い大学卒のほうが賞与に限っては高くなることもあります。
    ここが悩みどころになることが多いでしょう。
    地位を取るか基本給・賞与を取るか、みなさんの価値基準ではどちらを選ぶでしょうか。

  • 1年の猶予

    専門学校と短大は3年制、大学は4年制ですので大学のほうが1年猶予があります。これをどうとらえるかにもよりますが、3年でさくっと終わらせて就職するのか、4年ゆっくりやって就職するのかとなります。
    おおよそ専門学校は高校と同じように毎朝通学して、夕方に帰るイメージであり、大学はゆるいところもあれば、高校のようにみっちりやるところもあり様々なようです。
    大学に行って専門学校/短大に比べて1年を猶予として余裕を持って過ごすのか、専門学校/短大に行って猶予を待たずにさくっと就職してしまうのか、若いときの1年は本当に人生を左右しますので慎重に選ぶことをおすすめします。

  • 学費

    単純に最低でも大学は4年間通うことになりますので、専門学校や短大より1年長くその分高額になります。
    親御さんにとっては頭の痛い問題かもしれませんね。

専門学校・短大または大学を選ぶ判断材料としてはこのようなところでしょう。

最後に僕の見解を伝えておきますが、臨床検査技師を生涯やり続ける覚悟なら断然専門学校がおすすめです。

理由はやはり「地位的に有利だから」です。

先輩と後輩では圧倒的に格差がありますので、職場で有利であることは覆しようのない事実です。

しかし、もし「途中でやめるかも」や「未来のことはわからないよ」とあれば、大学に行ったほうが良いです。

なぜなら、「大学卒のほうが転職のときに何かとツブシが効くから」です。

他の職業に就くときに専門卒では優遇されませんが、大学卒なら好待遇を受けられることが多いからです。

大学卒は履歴書においては強いのです。

ですので、臨床検査技師として生涯やっていく自信のない場合は大学に行っておいたほうが転職のときに有利ですよ。

臨床絵検査技師を生涯続けていくか迷う方に、ちょっとした判断材料として、臨床検査技師の未来…というか医療の未来について僕の見解をまとめたブログもありますので、よろしければこちらをどうぞ。

「今後AIに仕事をどんどん奪われる」と言われるこのご時世、どんな仕事が残るのか、どの業種に未来があるのか、将来就くべき仕事は何なのか、気になりますよね。未来は現在の延長線上にあるものなので、現在のテクノロジーを知ればおのずと未来が見えてくることもあります。そのあたりをご紹介していきます。

「2. 【将来の不安を情報で解決】病院規模縮小編」で医療の未来について書いています。

ちなみに「大学のほうが4年間通うから頭が良くなるのでは?」という質問にも答えておきますが、新人をたくさん見てきた僕の体感としては、専門卒も大学卒も正直違いを感じていません。(短大卒はいないのでわかりませんが)

頭の良さは出た学校に関わらず、その人それぞれだろうと僕は考えています。

よって学校選びに苦戦する人にも伝えたいことですが、専門学校か短大か大学か種類が決まったら家の近くで十分だと思いますよ。

結局どこの学校に入っても、その後しっかり勉強するかしないかで頭の良さは決まりますので、どこの学校に行っても大差はありません。

移動に時間をかけても疲れるだけですし、わざわざ実家から離れて一人暮らしをしても手間が増えるだけですので、家の近くが最適解ですよ。

【臨床検査技師】になるための難易度

臨床検査技師になるための難易度としては、普通に勉強できれば国家試験に合格できるレベルです。

高校でいう偏差値でいえば50くらいあれば十分でしょう。

「私は偏差値46の学校だから無理か…」のように偏差値が50に届かないからといって諦めるのは誤りで、入学してから勉強すれば十分に合格できます。

なぜなら偏差値はあくまで目安であり、さらに高校までに勉強してきたことはほとんど使わないからです。

強いて言うなら生物の学科くらいです。

臨床検査技師の勉強はすべて専門教科ですのでみんなよーいどん、です。

全員ほぼイチからスタートです。

もちろん頭の良い学校出身の学生は自分の効率的な勉強の仕方やモチベーションコントロールが上手ですので、すぐに差をつけてきます。

しかし最終的には国家試験に合格すれば取得点数が高かろうがギリギリだろうがみんな同じですので、そんなに気にしなくて大丈夫ですよ。

就職してからも、頭の良さよりも「仕事ができる」や「人当たりが良い」ほうが上手くやっていけますので、頭が良いに越したことはありませんがすべてではありません

「頭が良い=(イコール)仕事ができる」ではないので、そのあたりはよく覚えておきましょう

学生の間は国家試験に合格できるように勉強し、専門的知識をつけるのは就職後に配属部署が決まってからでも全然良いです。

とはいえ、学生の間ずっと国家試験にフルコミットではなく、臨床検査の基礎的な部分の勉強は必要ですのでそのあたりもしっかりと勉強しておきましょうね。

次に学校の話ですが、国家試験合格率100%とか謳っている学校もありますが、そんなにすごいカリキュラムを受けられるのかというと、じつはそうではありません。

国家試験合格率100%の種明かしをすると、国家試験の直前に模試を受けさせて点数の取れた学生しか受験させないので、合格率が100%なのです。

「入学した全員が合格しました」ではありませんので、よく注意してください

進級するときも進級試験を受け、合格点に満たない学生は留年か退学ですし、国家試験前の模試でも合格点に満たなければ受験できませんし、ましてや卒業試験に合格できなければこれも留年か退学ですし、常に点数が求められます。

学校側も合格率でしか客引きができませんので、そのあたりの管理はシビアなのです。

ですので合格率に釣られての入学はおすすめしません。

どこの学校でもカリキュラムに大差はありませんので、家の近くで十分ですよ。

ちなみに国家試験の合格率は6割です。

足きりに足きりされて残った精鋭ばかりですが、それでも6割です。

だいぶ厳しめに聞こえてたかもしれませんが、学校によっては「たぶん合格できるだろう…たぶんね」な学生もたくさん送り込んでいますので、落ちる学生もやはり出ます。

大丈夫です、「この子本当に国家試験受かったのか!?」と疑わしい新人とかザラにいますので。

これを読んでいるみなさんは、きっと大丈夫です。

ここまでこのブログを読み進めてきたということは、情報量も圧倒的ですし、他の学生よりモチベーションが高いはずですから。

【臨床検査技師】はどんな人が向いているのか 

臨床検査技師はどんな人が向いているのかについて、これに明確な解答はないでしょう。

例えば採血でいえば患者さんと接するのでコミュニケーションスキルはあったほうが良いですし、注射針を刺すので手先が器用な人がほうが良いですし、効率的に仕事をまわしたいなら的確な判断ができるほうが良いですし…求めれば切りがありませんから。

よく他のサイトで見かける「学ぶことが好きな人」や「責任感の強い人」、「忍耐強い人」などはどの職業でも当てはまることですので、臨床検査技師に向いているかどうかの判断には役に立たないでしょう。

いちおう僕なりに1つの解答を提案するなら、「国家試験を突破した人なら誰でも大丈夫」と言っておきます。

こんなことを言っていると他の臨床検査技師に怒られそうですが、臨床検査技師の仕事は正直スキルを要求されるほど難しい仕事ではないので誰でもできます

そもそも向いていなかったら、国家試験前までに愛想を尽かせて他の進路に方向転換していますよ

実際に臨床検査技師になってみればわかりますが、採血なんて練習を繰り返せばそれなりに上手くなりますし、専門的知識だって勉強すればそれなりに身に付いていきます。

僕も学生時代は手先が不器用で他人から笑われることもしばしばありましたが、今では採血の難しい患者さんからもそれなりに採血できますし、機械の細かい修理やメンテナンスも普通にこなしています。

このように僕みたいに明らかに不向きな面を持っていても、臨床検査技師の仕事はしっかり成り立っています。

不向きだろうがなんだろうが、現場で経験値を稼いでスキルを上げていけば全然問題ありません。

ですので、向き不向きなんてあてにならないものを考えるのは時間の無駄です。

国家試験を突破する努力ができた人なら、臨床検査技師に向いていると言えるのではないでしょうか。

【臨床検査技師】の就職先

臨床検査技師の就職先といえば、まず「病院」が挙げられますよね。

しかし、じつは臨床検査技師の就職先にも様々あり、「検査センター」、「治験センター」、「検診センター」、「血液センター」、「各種医療機器会社」、「製薬会社」などが挙げられます。

今回は中でもメジャーどころの「検査センター」について、病院と一緒に詳しく解説していきます。

病院にはクリニックから総合病院、大学病院、国立病院など様々な種類があります。

病院勤務の特徴としては、

  • 患者対応がある。
  • 採血業務がある。
  • 生理検査業務がある。
  • 休日出勤、夜勤業務がある。
  • 平日休みがとれる。
  • 臨床検査技師としてリアリティがある。
  • 医療の現場を間近で体感できる。
  • 自分が患者として医療を受けるときに社員割のような優遇処置がある。

などが挙げられます。

進路を決めるうえでまず筆頭に挙がってくるのが「病院」と「検査センター」であり、その決め手となるのが「患者対応」、「採血業務」、「生理検査業務」の3つです。

このうちどれか1つでもやりたくないとなりますと、検査センター勤務に流れていくことが多いと感じています。

休日出勤や夜勤勤務は病院にもよりますが、基本的にはあるものとお考え下さい。

臨床検査技師はどこに就職しても休日出勤や夜勤業務がわりとある職種ですので、それは前提にあるものだと考えておくと気持ちがラクですよ。

見返りとしてそのぶん平日に休みがとれますので、買い物や銀行、市役所などすいている時間にゆっくりと行けて結構快適です。

臨床検査技師としてリアリティがあるというのは、患者さんを前に採血することや、外来は検査結果を待っていますので遅れると迷惑がかかり、最悪患者さんが怒鳴り出したりもします。

とても他では感じることのできない臨床検査技師のリアリティ、というか病院の一部として自分は仕事をしているのだな、という実感が良くも悪くも得られます。

これは病院勤務ならではであり、他に就職してしまうと会社員感が強くて自分が臨床検査技師であることを忘れてしまう傾向にありますので、なにげに大切な要素です。

私たちの検査業務の先には患者んさんがいる、ということを肌で感じることのできる唯一の選択肢が病院です。

医療の現場を間近で体感できることも、病院勤務の大きな特徴ではないでしょうか。

臨床検査技師とはいえ、オペ室に入って検査業務をしたり、ERに運ばれてきた血だらけの患者のもとに輸血製剤を届けたりと、緊迫した場所に赴くこともしばしばあります。

世界を騒がせた新型コロナウイルスの対応について病院内部は実際にはどのような動きをしていたのか、医者や看護師や放射線技師など他業種の方々がどのような悩みを抱えているのかなど、様々な意味での医療の現場を知ることができるのも特徴でしょう。

最後に「自分が患者として医療を受けるときに社員割のような優遇処置がある」については、すべての病院ではないかもしれませんが何かしらの優遇を受けることができます。

例えば、「1カ月の自己負担上限額は○○○円でそれ以上は病院が負担する」、「職員と同居している家族は職員本人と同じ扱いとして各免除を受けられる」、「病室の個室費用は無料」など病院によって様々な優遇処置が受けられます。

これは表に出ない内容ですので実際に就職してみないとわかりませんが、そんなメリットもありますので覚えておくと良いでしょう。

まずは「そもそも検査センターって何?」という解説から始めていきます。

検査センターというのは、契約しているクリニックや病院などの各施設から検体を回収し、スクリーニング検査からマニアックな検査まで様々に請け負ってくれる検査の外部委託会社です。

どこの病院施設でも必ずどこかの検査センターに検査を委託しています。

「え?病院に検査室があるのに何で検査センターに委託するの?」と思うかもしれませんが、測定する専用の検査機器を揃えたり、試薬のランニングコストの関係で大半の検査は赤字になりますので、そのような採算の合わない検査は検査センターにお任せします。

病院で測定している検査は、基本的に「ほとんどの患者が測定する検査」や「すぐに結果がほしい検査」、「医者がどうしても院内に必要だ」という検査項目しか扱いませんので、いくら大規模な病院でも必ず1つはどこかの検査センターと契約しています。

ですので検査センターは医療の現場には欠かせない大切な存在なのです。

検査センターの有名どころといえば、「BML」、「SRL」、「LSI」、「保健科学研究所」、「ファルコバイオシステムズ」といったところでしょうか。

また、検査センターには「ブランチラボ」というサービスがあり、病院の一室をお借りして、そこに検査機器と臨床検査技師を派遣するというものもありますので、「病院勤務が嫌だから検査センターに就職したのに、ブランチで結局病院勤務になってしまった…」というのはよくある話です。(これ僕です…)

基本的にはブランチは検体検査だけであり、患者に触れることはご法度ですので生理検査や採血は行いません。(そもそも検査センターは検体検査のみを扱う企業ですので、生理検査や採血のノウハウはありません)

さて、検査センターについてある程度わかったところで、次に検査センターの特徴について解説していきます。

  • たくさんの検査項目に触れられる。
  • 基本は夜の勤務なため給与が比較的高い。
  • 昼夜逆転生活。
  • 「臨床検査技師」というより「会社員」感が強い。
  • ブランチは悪。

検査センターの規模やビジネスモデルにもよりますが、大手では世の中の検査のほとんどができるくらいに網羅されています。

ですので検査センター勤務では、病院で勤務するより数多くの検査項目に触れられることができるでしょう。

検査センターの特徴として最大なのは「基本は夜の勤務であること」です。

ルート(検体回収)担当の方が、昼過ぎから夕方にかけて契約している各施設をまわって検体を回収します。

よって検査センターに検体が集まるのは夕方以降ですので、臨床検査技師はそのあたりに出勤し夜検査を行い、朝に各施設に検査結果を送信してその日の仕事は終了となります。

そしてまた夕方あたりに出勤して朝に帰る…という流れになりますので、検査センター勤務になるとこのように昼夜逆転生活となります。

ですので、女性にはホルモンの関係もありますのであまりおすすめはしません。

給与面でいえば、検査センター勤務になると夜に働きますので、深夜手当がつく関係でだいたい3割増しくらいになります。

しかし、なかには普通に日中に検査をする部署もありますので、部署によっては「日中検査の通常給与」となる場合もありますのご注意ください。

また、検査センターは病院と違って「会社」です。

会社の中で検査をするわけですから、まわりはスーツを着た人ばかりで自分が「臨床検査技師」であることより「会社員」という意識の方が強くなってきますので、つい自分の立ち位置を忘れがちです。

だからといってデメリットはありませんが、いちおう特徴ということで挙げておきました。

最後に「ブランチは悪」についてです。

ブランチをやって喜ぶのは経営陣だけで、現場は最悪です。

まず知っておいてほしいのは、ブランチを導入する病院のタイプには2タイプあり、1つは「完全ブランチ化」で、もう1つは「病院職員とブランチのハイブリットタイプ」です。

「完全ブランチ化」は読んで字の如く、検体検査はすべてブランチ化し、病院は検体検査室を持ちません。

一方、「病院職員とブランチのハイブリットタイプ」は検体検査室を一部ブランチ化し、部署によって病院職員とブランチ技師で切り分けて仕事をするタイプです。

どちらに転んでも最悪で、なぜならブランチということは「お客様の施設で仕事をさせてもらう」スタンスですので、何があっても文句を言えません。

明らかに病院側に問題があっても、なぜかブランチ技師の責任にされることも日常茶飯事であり、同じ検査室で同じ臨床検査技師として働いているのに立場の違いで肩身がせまく何が起きても何も言えないなど、とにかくストレスが絶えません。

そんな状況ですので、僕の知る限りではブランチはどこも退職と入職のサイクルが超高速でフル回転しており、常に新人を教えている状態ですのでルーチンがまわらないという悪循環を起こしていました。

それはそうですよね、ブランチで派遣されても良いことなど1つもありませんから。

1年も立たないうちにやめていく新人が後を絶たず、採用では来る人拒まずでどんな人材でも採用、そしてそのままブランチにまわして頭数だけ揃える…もう現場は常にカオスです。

という理由で「ブランチは悪」と書きました。

これがすべてではないことを祈りますが、僕が見聞きしてきたブランチはどこもこのような状況でした。

もしあなたがブランチに派遣されることが決まってしまったら、腹をくくって覚悟を決めるか、退職を検討した方が良いでしょう。

【まとめ】臨床検査技師はこんな人におすすめ

臨床検査技師についてはこれまでにしっかりと解説してきましたので、最後に僕主観ですが「臨床検査技師はこんな人におすすめ」ということを書いておきます。

臨床検査技師は、「人生を手堅く生きたい人」におすすめです。

国家試験免許がありますので、一度取得してしまえば病院や検査センターだけでなく、その関連の仕事に就くことはできますし、なにしろ病院はなかなか潰れたりはしませんので安泰ではあります。

しかもリストラとかもほぼありませんので、他の職業に比べて安心感は高いですね。

また、年功序列文化ですのでガツガツしなくても役職に就きやすいですし、営業成績のような数字もないので比較されようもなく、残業とかもあまりない仕事ですので会社勤めの人よりはイージーでしょう。

年収も水準くらいですので生活に困ることもないでしょう。

ですので、臨床検査技師は「人生を手堅く生きたい人」におすすめです。

臨床検査技師についての解説は以上となります。

これを読んで臨床検査技師になるかどうかを決めるのも良いですし、周りに教えてあげてドヤっても良いですし、何かの役に立てれば嬉しいです。

さらに「私は臨床検査技師で高収入を得たい」、「平均年収では満足できない、稼ぎたい!」という方向けに、臨床検査技師での稼ぎ方について書いたブログもありますので、気になる方はどうぞ。

現役臨床検査技師で「稼ぎたい」と思っている方、とても多いのではないでしょうか。給与は多いに越したことはないですし、平均年収で満足している方も少ないでしょう。そこで臨床検査技師歴15年でIT業界にも知見のある僕が臨床検査技師の稼ぎ方について解説します。稼ぎたい人、少しでも年収を増やしたい方は必見です。

このブログがみなさまのお役に立てれば幸いです。

最後まで、ご閲覧いただきありがとうございました。

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「精度管理」について、現場で使える考え方を解説します。具体的には「精度管理とは何?なぜやるのか」とかの話です。わりとこの初歩的なところでさえも答えられない子が多いのでブログにして発信します。ちなみに「現場で使える」というのがポイントで教科書に書いてあるような表面的な話ではなくでガチめの話をします。

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