5-1. 表示速度
不思議なことに、表示速度はどこも「国内最速」を謳っており、ユーザーからすると実際にどこが1番速いのかはわかりません。
「じゃあウエノはわかるの?」といわれますと、正直僕にもわかりません。(えー)
いえいえ、わからないとは言ってもちゃんとそれには理由がありますよ。
その理由というのは、「表示速度はサーバーのマシンスペックも大切だけど、そのときのサーバー利用環境にも左右されるため一概にどこが最速とはいえない」ということです。
解説すると、まず表示速度には「サーバーのマシンスペック」と「回線状況」が大きく関わってきます。
「サーバーのマシンスペック」については想像がつくと思いますが、サーバーマシンがどれだけ高性能で高速処理が可能かということです。
比較しやすい指標でいうと、以下のものが挙げられます。※サーバー会社によっては非公開のものもあります。
- CPU
CPUはサーバーにおける演算処理を行う中枢で、人間でいえば「脳」のあたる部分です。
見るべきポイントは「コア数」です。
「コア数」は多いほど良く、その分だけ並列処理が可能になるため処理能力が上がります。
主流は4コア~6コアあたりですが、Xserverはまさかの128コアです。
- メモリ
メモリはデータを一時的に記憶しておく装置で、容量が大きいほど処理能力が高くなります。
主流は8GBあたりですが、Xserverはズバリ1024GBです。
- ストレージ
ストレージには大きく分けて2種類あり「HDD」と「SSD」があります。
「HDD」は「SSD」より読み出し・書き出しが遅いですが保存容量が大きいのが特徴です。
逆に「SSD」は「HDD」より読み出し・書き出しが速いですが保存容量が小さいのが特徴です。
この2つを使い分けるハイブリッド方式というのもあり、Webデータなど送受信の機会が少ないデータは「HDD」に保存し、データベースなどの頻繁に送受信を行うデータは「SSD」に保存します。
このような方式を採用するサーバー会社もありましたが、現在の主流はもっぱら「SSD」です。
次に「回線状況」についてですね。
まずレンタルサーバーの利用形態についてわからないと先に進めないので、先にそのあたりの解説をします。
一般的にレンタルサーバーといいますと「共用サーバー」という、1つのサーバーを複数の利用者で分割してレンタルする形態をいいます。
これに対して「専用サーバー」というものがあり、高額なプランですがサーバーを丸ごと借りれる形態をいい、他に利用者のいない専用サーバーとなります。
ここでの要点は「サーバーを一緒に使う他の利用者がいるかどうか」です。
何が問題かといいますと、同じサーバーを使用している他の利用者のサイトがアクセスを集めすぎてしまうと、回線の使用率が上がってしまうため、自分のサイトに来てくれるユーザーにも影響を及ぼしてしまうことです。
イメージ的には、自宅で1人でインターネットを使用しているときは問題ないが、家族が同じ時間にインターネットを使用すると回線が混み合って表示速度が遅くなる、といったケースです。
同じようなことが共用サーバーでも起きます。
また、1つのサーバーに大量の利用者がいたり、他の利用者がサーバーへの負荷が高い処理をさせたりしていると、サーバー全体として処理が遅くなります。
このように回線が混雑していたりサーバーに大きな負荷をかけてしまうと、表示速度に影響を及ぼすことがあるため、どんなにサーバーマシンのスペックが高くても場合によっては遅くなることがあり、一概にどのサーバーが速いとはいえないのです。
ちなみにやたら安いサーバーは、1つのサーバーを大量の利用者で使用して1人あたまの単価を抑えていることが多いため注意が必要です。
このあたりをバランス良く運用しているのもXserverかなと思います。
Xserverはその高いマシンスペックでたくさんのアクセス(同時アクセス)に対応できるようにするだけでなく、「Xアクセラレータ」などのシステムでさらに同時アクセス対応を強化しています。
通常、どのサーバーも同時アクセス数が契約中のサーバー利用料金プランの上限(ほとんどの会社が非公開)に達すると、サーバーへの負荷軽減策として入場しようとする新規ユーザーに対して「503 Service Unavailable」と表示し、強制的に接続を遮断します。
そうならないように大量のアクセスがあっても負荷を分散して処理できるように工夫を凝らし、安定した速度を提供しているのもXserverです。
とはいえ、とんでもない負荷がかかればXserverといえど他のサーバーより遅くなることもありますので、繰り返しになりますが一概にどこが最速かはいえません。
とはいえ、こんな高水準なサーバーが月額1000円程度で借りられるなんて、正直安すぎです!
ウエノ