7-1. 【総蛋白(TP)】の主な測定法
総蛋白の主な測定法は「ビウレット法」です。
どこの施設でも、今も昔もほぼこのビウレット法で測定しています。
昔はビウレット法には1試薬系しかありませんでしたが、現在では2試薬系も販売されていますので、もし1試薬系を使用しているなら2試薬系に変更することをおすすめします。
ちなみに1試薬系とか2試薬系とか何のことかわからないという方のために解説しておくと、1試薬系というのは第1(R-1)試薬のみ、要は呈色液(反応液)のみのタイプのことであり、2試薬系というのは第1(R-1)試薬と第2(R-2)試薬に分かれ、緩衝液または前処理液と呈色液(反応液)を別にした試薬をいいます。
試薬のラインナップに2試薬系の試薬があれば、必ず2試薬系の試薬を選びましょう。
なぜなら1試薬系だと試薬盲検を対照にするため検体に色味が付いていると影響を与えてしましますが、2試薬系では第1試薬に検体を混ぜた状態を盲検としますので、検体の色味の影響を受けにくくするからです。
要は溶血や乳び、黄疸の影響を抑えることができるのです。
1試薬系よりは2試薬系の方がお値段が割高ですが、患者さんのデータをより真値に近い状態で返すことを考えればこれは必要経費でしょう。
化学屋の僕としては、絶対的に2試薬系を採用していただきたいものです。
次にビウレット法の原理について解説します。
ビウレット反応とは、アルカリ性条件下で3つ以上のアミノ酸からなるペプチド(蛋白)が2価の銅イオンとビウレット型キレート化合物(錯体)を形成することによって、赤紫色から青紫色に呈色する反応のことをいいます。
発色の強さは蛋白の濃度の高さ(ペプチド結合の多さ)に依存しますので、この色の濃さを吸光度で測定することで、検体中の総蛋白の濃度を知ることができます。